このページでは、推量のモダリティ「ようだ」①に引き続き、
同じ「ようだ」について細かく解説します。
特に、日本語学習者に細かいニュアンスを伝えるのに苦戦しているアナタ、必見です!
「ようだ」は視覚情報と体験・経験をもとに推量をするモダリティでした。
学習者に教える、という観点からこの「ようだ」を丁寧に理解していきましょう。
(1)小千田は昨日自宅に帰らなかったようだ。
(2)小千田は今日は来ないようだ。
(1)と(2)の決定的な違いは、テンスです。
わかりやすく言うと、
過去のことに対して推量しているのか、未来のことに対して推量しているのか
が異なります。
今の状況を踏まえて、未来のことを推量するのか、あるいは過去のことを推量するのかは大きな違いになります。
学習者に対してテンスのことを直接話すと、とても複雑な話になるので授業が崩壊する可能性がありますが、例文を作ってもらう際にはその部分を分けて捉えられた方がよいです。
(3)有志はプレゼントをもらってうれしいようだ。
この「ようだ」は第三者の感情に対して推量を行っているので、他の例と比較すると少し異なります。
別の言い方として、明らかに見た目で「うれしい!」という場合、「うれしがっている」も使うことができます。
ではどのようなときに「ようだ」を使うのでしょうか?
①この”有志くん”は普段あまり表情を顔に出さないタイプだとする。その有志くんが少し興奮したような感極まったような顔をしている。(視覚)
②プレゼントをもらったら人は喜ぶ(体験・経験)
とても細かいし、「うれしがっている」と言っても問題はありませんがこのような条件がそろう場合は「ようだ」を使う、という住み分けがあるのです。
日本語教師 という立場として学習者に細かいニュアンスを伝えたい場合、
それぞれのモダリティの根幹の要素を掴んだ上で、教師が例文を提示してあげる
ことが大切です。
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