確信のモダリティ「にちがいない」

今回は確信のモダリティ「にちがいない」を特集します。

まず、いつも通り接続から見ていきましょう!

確信のモダリティ「にちがいない」

〇接続:普通形+にちがいない

例)

●動詞

「食べる」+にちがいない、「食べない」+にちがいない

「食べた」+にちがいない、「食べなかった」+にちがいない

●イ形容詞

「寒い」+にちがいない、「寒くない」+にちがいない

「寒かった」+にちがいない、「寒くなかった」+にちがいない

●ナ形容詞

これだけ少し注意です。「有名だ」を例にします。

「有名」+にちがいない、「有名ではない」+にちがいない

「有名だった」+にちがいない、「有名ではなかった」+にちがいない

●名詞

「休み」+にちがいない、「休みではない」+にちがいない

「休みだった」+にちがいない、「休みではなかった」+にちがいない

接続は以上の通りです。

ここからがポイント。この確信のモダリティ「にちがいない」を一言で表すと、

根拠に基づき、推論した事柄を間違いないものと確信していることを表す

です。

カジュアルにまとめてみると、何か根拠をパッと見たときに、「あぁ~、さては●●だろうな」と理由を持って言うようなイメージです。スピーディーで直感的ですが、根拠も含めていっていることがポイントです。

例で確認してみましょう。

(1)犯人はこの窓から侵入したにちがいない

何か事件が起きて、その現場に残された根拠から犯人を予測し断定するのはまさに「~にちがいない」がよく使われるシチュエーションだと言えます。

では、「はずだ」と比較してみましょう。例えば次のような状況で考えてみます。

ある事件が起きて、それが起きたのが窓が一つの部屋だとします。

「まさか空き巣の犯人が玄関から入るわけがない。犯人はこの窓から侵入したはずだ。」

「はずだ」は常識的に考えたときに辿り着く結論で使います。ここでの常識は「犯人が玄関から部屋に侵入すること」です。単純な現場に残された根拠、というよりも話し手の持っている常識にフォーカスされているイメージです。

 

(2)小千田はかなり眠そうだ。昨日徹夜したにちがいない

これは「はずだ」だと少し変な感じがします。「眠そうだ」という現状を見て判断しているからです。

「昨日は月末で業務がたくさんあった」などといった、常識的に徹夜するだろうと考えられる要素がある場合「徹夜したはずだ」と使うことができます。

 

(3)あの見た目からすると小千田は悪い奴にちがいない

この文章でも、「はずだ」を使うのは違和感があります。

見た目に根拠を持って確信をしているのが分かります。

現状を見て根拠を持って判断をする、というコアの部分を「にちがいない」はしっかり押さえていきましょう。

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