推量のモダリティ「らしい」①

推量のモダリティの中でも「らしい」について中心に取り扱います。

Attention!

このページでは日本語の文法の説明をどんどんしていくので、「接続」や「モダリティ」などの用語がまったくわからない、あるいは不安な方は他の基礎的なところから始めてみてください!

モダリティについて基礎を知りたい方はこちら

推量のモダリティ「らしい」

〇接続:普通系+らしい

例)

  • 動詞

「行く」+らしい、「行かない」+らしい

「行った」+らしい、「行かなかった」+らしい

  • イ形容詞

「暑い」+らしい、「暑くない」+らしい

「暑かった」+らしい、「暑くなかった」+らしい

  • ナ形容詞

「有名」+らしい、「有名ではない」+らしい

「有名だった」+らしい、「有名ではなかった」+らしい

  • 名詞

「休み」+らしい、「休みではない」+らしい

「休みだった」+らしい、「休みではなかった」+らしい

このように接続します。

ここからがポイント!

日本語教育の現場にいると痛感するのが、学習者からの類似表現の質問への対処の仕方です。それに対してしっかり回答するためにも、指針となる一つの芯のようなものを持って文法事項を理解すらしい。大切です。

よって、一言でこの推量のモダリティを表すとすると……

聴覚情報をもとに推量!

例を見ながら確認してみましょう。

(1)小千田は来週の会議に参加しないらしい

実はこの例文の状態だと細かく分けると推量に当たらない場合があります。

以下二つのケースで考えてみましょう。

安藤の話によると小千田は来週の会議に参加しないらしい。

→これは安藤さんから聞いた話を特に考えることなく発言しているので、「伝聞」に振り分けられます。「そうだ」で言い換えができます。

来週から家族旅行だとうわさに聞いたので小千田は来週の会議に参加しないらしい。

→この場合、「家族旅行に参加する」ということだけを聞いていて、会議の出欠に関しては聞いていません。つまり、「会議に出席しない」という内容は推測した結果生じています。

ここでは「らしい」は推量を表します。

「伝聞」も「推量」も聞いた話がベースになるので、

どうしても守備範囲が被ってしまう場合があります。

そういう時は、上のように前に分を足して説明をしてもいいし、

簡潔な文にしたい場合は条件を説明して、それで比較をして教えることもできます。

紛らわしいですが、ひとつひとつ説明ができるようとにかく一つの指針を持つことを意識して学習を進めましょう!

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